高機能樹脂製品
ナルックスでは、赤外線透過性を有する樹脂材料や、耐熱性の高い樹脂材料など、一般的な樹脂材料にはない特性を有する高機能樹脂材料を成形する事で、樹脂光学素子、樹脂部品の用途拡大を行っています。材料メーカーとの協業による樹脂材料開発も行っています。
高耐熱、高強度樹脂(EXTEM、ULTEM)
SABIC社のULTEM(ウルテム)、EXTEM(エクステム)は高耐熱、高強度・強靭、耐薬品性に優れたポリエーテルイミド(PEI)樹脂です。近赤外領域に透過性を有し、高い信頼性を求められる光通信領域を中心に、多くのウルテム樹脂レンズが採用されています。エクステム樹脂はさらに高い耐熱温度を有し、樹脂レンズでありながら、約270℃のリフロー工程にも対応します。
ナルックスは、これらの樹脂および成型に関する多くのノウハウを蓄積、リフロー対応樹脂レンズの製品化を実現しました。
また、光学素子で培ってきた技術を生かし、高耐熱、耐薬品性などが必要な用途等へ、超高精度成型部品の供給も致します。
その他、各種スーパーエンプラの成形に関しても、お気軽にご相談ください。
特徴
- 超高耐熱、リフロー対応可能
- 高い機械的強度
- ガソリン、アルコール、弱酸、弱アルカリ等に対する高い耐薬品性
- 用途に応じた樹脂カスタマイズ可能
アプリケーション例
- リフロー対応樹脂レンズ
- 金属部品の置き換えによる軽量化
- 耐熱・耐薬品性が必要な部品
- 医療、車載、航空など、信頼性の求められる用途
赤外線向け透過型樹脂(HDPEレンズ)
赤外線(IR)領域に対応する光学レンズはゲルマニウム(Ge)、カルコゲナイドガラス、シリコン(Si)と言った、可視光領域とは異なる特殊な材料が使用されています。 しかし、これらの材料は素材そのものの価格が高く、また加工も難しいため高コストとなります。
また、材料によっては毒物を含むため取り扱いに注意を要するなど、様々な課題がありました。
ナルックスはこれらの課題を解決するため、毒性のない樹脂材料である高密度ポリエチレン(HDPE)を用いた樹脂製光学素子を遠赤外線分野に提案しています。
HDPEは赤外線領域で光透過性を有する樹脂材料です。 しかし、その内部透過率は低く、通常のレンズ形状では十分な光透過率を得ることができません。
ナルックスではレンズ形状のフレネル化と微細加工・成形技術にて極限までレンズの薄肉化。 樹脂製でありながら十分な透過率を有する赤外線向けレンズを実現しました。(特許第5584870号)
本レンズは、空間温度センサなど、比較的低解像度のアプリケーションで、コスト要求の厳しいシステムに最適です。レンズとしての用途だけでなく、光学機能を持たせたカバー、ウィンドウとしてもご使用いただけます。
より高解像度が要求される用途には、自由曲面ミラーを用いた、反射光学系を提案しています。
特徴
- 射出成形による大量生産が可能なので、低コスト化に貢献
- 特殊な材料を使用しないため、材料の入手性が良く、安定供給可能
- 小型、軽量
- 化学的に安定で、耐薬品性が高い